TABA – TAMAGAWA ALL BREWERIES ALLIANCE

きれいなビール造りにこだわり
伝統的なスタイルを醸す

2022.10.8 INTERVIEW

元々は別のブルワリーに勤めていた熟練ブルワーである清水秀晃氏。立飛醸造所の立ち上げから携わり、清潔さを維持でき、効率を重視した醸造所を立ち上げる。副原料はほぼ使わない伝統的なスタイル「ストレートなビール」にこだわり、お客さんの口に入るまでの味わいの変化を最小限に留めたいと清潔さも徹底したビール造りをしている。

多摩都市モノレール立飛駅から徒歩10分。住宅街を抜けた先にブルワリー&タップルームを構えるのが立飛麦酒醸造所だ。

2019年に醸造休止した「カミカゼビール」跡地に土地と建物すべてを譲り受け、一新し2021年12月にオープン。最寄駅の名前でもある「立飛」の由来は遡ること戦前。親会社の前身が、この地に飛行機を設計・製造する立川飛行機株式会社を設立し、その後「立飛」に名前を変更。その立飛を冠した醸造所を立ち上げたのだそう。

醸造長は立川出身の清水秀晃氏。元々は別のブルワリーに勤めていた熟練ブルワー。一から立ち上げる立飛醸造所の配置や動線の設計にも携わり、少人数でも効率よくビール造りができるよう、こだわりと経験を活かした設計がなされた。貯蔵タンク6本、発酵タンク4本で、1回の仕込みで2,000リットル醸造できる。

副原料はほぼ使わない、伝統的なスタイルを忠実に醸す「ストレートなビール」をこだわりとしている。そのため、保持している免許はビール免許(発泡酒ではない)で、原材料は麦芽・ホップ・水・酵母のみ。さらに、ビールの炭酸は発酵の際に発生したガスのみというこだわりで、お腹に溜まりづらく優しい炭酸が感じられる。

「きれいなビールを造ることには手間もテクニックも惜しまない」という清水氏は、汚れがあったらすぐに見つかるよう、あえて施設の床を白くしたり、タップ用の樽洗浄は人的ミスによって洗い損なうリスクを回避するため必ず2回行う。

それは、自分たちの手を離れて飲食店で提供され、お客さんの口に入るまで、ビールの味わいが少しもぶれることがないようにという理由で、とにかく徹底した清潔っぷり。

フラッグシップは「ゴールデンエール」。グレープフルーツのような酸味・甘みが感じられ、清水氏の「副原料は使わず、伝統的なスタイルを忠実に」という真っ直ぐな想いがそのまま感じられるような、意志の強いしっかりした味わい。もともとは限定ビールだったが、一番人気ビールになってしまったため、定番化したのだそう。すっきりした味わいは、どんな時でもゴクゴクと飲めてしまう。

清潔さを徹底した醸造所は「この人が造るビールなら間違いない」と飲む前から思えるほどの信頼感だったが、それは真っ直ぐにビールにも表れていた。 タップルームからも見えるノコギリ屋根はかつての飛行機工場。ビールのパッケージにも描かれている。そんな歴史あるノコギリ屋根を眺めながらビールを味わえば、この地の歴史の移り変わりが感じられるはずだ。

立飛⻨酒醸造所

販売店・飲食店

  • 立飛⻨酒醸造所

    東京都立川市高松町1-23-14 Google Map

    立飛駅から徒歩10分

    042-527-1894

    営業時間 11:00~18:00
    定休日 火・水曜日

  • Google Map

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  • PALE ALE

    モルトにフォーカスしたイギリス系の味わいから、ホップにフォーカスした味わいに進化し、アメリカンな味わいに。さらにドライホップを採用したため、爽やかさと時折見せるフルーティなホップの香りが印象的になり、スルッと飲めてしまう軽やかさを楽しめる。

  • PILSNER

    チェコのザーツに加えて別の麦芽も追加したうえ、ホップの量も増やすことでジャーマンピルスの印象が加わり、日本人の舌に馴染みが良いピルスナー。麦芽由来のコクを残しつつ、オレンジやマスカットのような高級感ある香りをかすかに感じる仕上がり。

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