お客様の希望に沿ったビールをデザインする
2022.10.8 INTERVIEW
OEM専門ブルワリーとして立ち上げ、今ではオリジナルビールの醸造もしている羽田麦酒。営業部長兼製造責任者である野呂駿佑氏ともう一人のブルワーと二人三脚で醸造を行いつつ、新しい顧客が求める味わいを造るため、ビールをデザインしている。
JR蒲田駅徒歩2分。協業店舗である樽生シードル&限定クラフトビールが飲めるバー「malus fantastica(マルスファンタスティカ)」でビールを提供しているのは、羽田麦酒だ。
蒲田駅の隣、東京急行電鉄多摩川線 矢口渡駅からほど近い場所に醸造所を構える羽田麦酒は、2014年12月に大田区初のブルワリーとして誕生。創業者は社労士・行政書士として本職に勤しむ傍ら、東京農業大学醸造学科卒でビールへの想いがあったことから、「OEM専門ブルワリー」として醸造所を設立した。
自社店舗はなく、グループ店や縁ある飲食店と「協業」という形で連携するのはそのためで、ビールを様々な飲食店に卸すことで多くの人に羽田麦酒のビールを楽しんでもらえればという想いで展開している。 ビールは全て人力で行うアナログ醸造。ステンレスの釜は全部で5つ。麦汁の煮込みから温度管理まで全てアナログのため、ビールの味わいがぶれやすいこともあるが、その分同じレシピでも温度を少し調整するだけで味わいをその時の季節に合わせることができ、デメリットも逆手にとった強みとし、職人技を繰り広げている。
OEM専門ではありつつも、オリジナルビールも醸造。ビールは定番6種の他、季節限定ビールを展開している。限定ビールは、大田区の特産物を使用したものを展開することも多い。他にも「自然なものを、自然な状態で」というコンセプトを掲げ、クラフトジンやリキュールも造っている。
羽田麦酒のフラッグシップ「ペールエール」は、“大田区おみやげ100選”にも選ばれた。
「まだクラフトビールを飲んだことがない人にとって『ビールの文化』の新たな間口になるような、とにかくクセがなくて、最初の1杯としてピッタリなオーソドックスなビールを造っています」と野呂さんがお話してくれた通り、クセがなくマイルドな味わいだ。
オリジナルブランドのビールとともに、飲食店や会社のイベント等で提供するお客様の要望に沿ったビールを手がけることに専念する羽田麦酒。 自分たちの個性を表現するブルワリーも魅力的なことは間違いないが、依頼主の希望する味わいや色、香りをその通りに繰り広げ造り上げるビール造りは、まるでプロのデザイナーのようだ。
羽田麦酒
販売店・飲食店
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malus fantastica
東京都大田区西蒲田 7-64-4 Google Map
蒲田駅西口から徒歩1分
03-6424-5551
営業時間 11:30~26:00(火〜金)、15:00~26:00(土)
定休日 日・月曜 -
brew lounge 市ケ谷
東京都千代田区九段北4丁目3−6 Google Map
市ヶ谷駅徒歩5分
03-6272-3227
営業時間 11:30~15:00,17:00~23:00(月〜金)
11:30~14:00,17:00~22:00(土)
定休日 日
RECOMMENDこのブルワリーのおすすめを飲んでみよう
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ペールエール
“大田区おみやげ100選”にも選ばれ、大田区初のブルワリー“羽田麦酒”の顔である看板ビール。「まだクラフトビールを飲んだことがない人にとって『クラフトビールの文化』の間口になるような、とにかくクセがなくて、最初の1杯としてピッタリなオーソドックスなビールを作っています」と製造責任者である野呂さんがお話してくれた通り、クセのないマイルドな味わい。
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セッションIPA
ネルソンソーヴィンを使用したセッションIPA。「セッション」というとIPAの中でもライトな印象がありますが、なんとIBUは50超え。グラスに鼻を近づけるとふわっとホップの香りが漂い、一口飲むとしっかり苦みを感じます。ですが、強すぎない苦みで、優しい甘みも感じられるので、苦いものに慣れていないなど挑戦したい...!という方にもおすすめ。