TABA – TAMAGAWA ALL BREWERIES ALLIANCE

「SHARED BREWERY」と「浅川河川敷」

2022.10.15 COLUMN

海外では盛んに行われている、自宅でキットを使ってオリジナルビールを作る「ホームブルーイング」。ところがこれは、日本の法律下では楽しむことができない。そこに目をつけた小林さんが、アメリカから機材を直輸入し、日本で初めて、ホームブルーイングを体験できる店としてオープンしたのが、SHARED BREWERYだ。

日本でもホームブルーイングの楽しさを

SHARED BREWERYは、そのSHAREDという名の通り、「ホームブルーイング」の設備を小林さんが輸入し、それをお客さんたちがシェアすることで、オリジナルのビール作りができる店として始まった。

現在はそれに加え、常時7種類のオリジナルビールも作られていて、タップから注がれる生ビールを店内で飲むことはもちろん、購入して帰ることも可能だ。

併設の醸造施設の規模は当初より大きくなった
ワークショップも行われる店内は、子供たちも過ごしやすい作り

今回もまずはお店オリジナルの生ビールをいただきつつ、お話を伺う。

「ZESTY HOPS IPA」。缶での販売もされている

パリッコ:あ、これはちょっと、感動的に美味しいですね! なんだろう、トロピカルというのとは違う、どこか和風の柑橘類のような爽やかさを感じます。

小林さん:ありがとうございます。原材料に果汁などは使っておらず、質のいいホップを使って香りを出すことを大切に作っています。大量生産するわけではないので、やはり作るごとにいろいろな個性が出て、そこがクラフトビール作りの楽しさでもありますね。

パリッコ:小林さんがSHARED BREWERYを始められたきっかけは?

小林さん:そもそも、まず自分でなにか起業をしたいという想いが先だったんです。それで、ブームにもなっているクラフトビールの、しかも醸造所をシェアリングするというアイデアを思いついて、これは斬新だなと。

パリッコ:自分のビールが作れるというのは、ビール好きにはたまらなく嬉しいですよね。

小林さん:そもそも海外では、自宅で簡単なキットを使ってビールを作る「ホームブルーイング」が盛んなんです。そんなに楽しい文化なのに、日本だと法律的に難しいので、どうにかできないかと。

パリッコ:なるほど。

小林さん:まずはアメリカから直でホームブルーの機材を輸入して、お客さんにホームブルー体験をしてもらえる店としてここを始めたんです。現在店に併設されている醸造施設は、もっと大きいものになりましたが。それがたぶん、日本では初めてのことだったんですよね。許可を申請した国税庁の方も、「こんな案件は初めてだ」って言っていたので(笑)。

パリッコ:開拓者ですね(笑)。当初はどのような方が主にお店に来られたんでしょう?

小林さん:やはり、自分のビールを作ってみたいという方、それから、贈りものにしたいという方なんかも多かったですね。すごく遠方からわざわざ来てくださる方もいて、やはり需要は大きかったんだなと。

パリッコ:ちなみにこちらの場所には縁があったんですか?

小林さん:いや、僕が住んでいる八王子方面から、都内も含めていろいろと探したんです。だけど、そもそもがワークショップのようなお店で、ある程度人が集まって楽しめるようにと考えると、それなりの広さが必要で。そんな時にちょうどよく見つかったのがここだったんですね。繁華街のように、ふらりと一見さんがビールを飲みに入ってくるような場所ではないんですが、ある意味ショールーム的な場所でもあるので。また、地元の方を中心に、クラフトビール好きの常連さんもたくさん来てくれるようになって、ありがたいですね。だから、都心すぎず、地方すぎずのちょうどいい場所だったのかな。

すぐ横にはビールの醸造施設が
こちらも人気の「Black IPA」

パリッコ:SHARED BREWERYの、オリジナルビール作りに関するこだわりはどんな部分でしょう?

小林さん:基本的に、価格競争をしていないんです。安売りはしないし、できない。大きいブルワリーさんはそういう部分が得意だったりするけど、うちは規模が小さいので。その代わり、良質なホップを使って丁寧に作る。ホップって、基本的に新しいほど質がいいんですよ。今ならうちは、2021年のものを使っていますが、 2020年のものを使えば価格を下げることもできる。だけどそれをせずに、ホップの香りを出すというのがこだわりですね。

パリッコ:小林さんは起業家であり、職人さんでもあるわけですね。今後どんなビールがここから生まれ、どんなアイデアが飛び出すのか、楽しみにしています!

すぐ目の前を流れる浅川でチェアリング

SHARED BREWERYから道路を挟んですぐの場所には、広大な河川敷を吹き抜ける風が心地いい「浅川」が流れている。お店でよく冷えた缶ビールを買って持って行ってもキンキンに冷えたままなので、クラフトビール×チェアリングを楽しむには絶好のシチュエーションだ。

今日は、ホップのトロピカルな香りとモルトのマイルドさが同居する「Black IPA」を買い、椅子を持って河川敷へ。

ゆるやかな時間が流れる

すぐうしろにあるブルワリーで作られたビールを飲みつつ、流れる水面を眺めながらゆったりとチェアリング。やっぱり、どこまでも贅沢なお酒の楽しみかただな、これは。


ブルワリー
SHARED BREWERY
東京都八王子市長沼町58-214
電話:042-657-22671
営業時間:17:30〜20:00(金)、14:00〜21:00(土日祝)

チェアリングスポット
浅川河川敷
住所:東京都八王子市元本郷町4-21先