オーガニックビールと古民家のような空間が優しく人々を潤す
2023.8.22 INTERVIEW
地域活性化事業や旅館・工芸品の企画デザインを主な事業としていた株式会社太極舎が、2016年に立ち上げた「暁ブルワリー」。岩手・東京の2ヶ所に構えるが、現在「東京ラボ」でブルワーを務めるのは影山皓一氏。立ち上げから6年の時を経て、2022年8月は工場の一角を開放し店内でもビールが飲めるように。住宅街を行き交う経堂に住む人がよく通る道にあり、20代の若者から80代以上のご老人まで訪問する、優しく街に寄り添うお店だ。
小田急線経堂駅から徒歩3分。住宅街を歩いていると見えてくる「暁ブルワリー 東京ラボ」。運営する株式会社太極舎は、元々は東京駅の地下1階にある「黒塀横丁」に、東京駅周辺で初めてのクラフトビアバーとして「バーバー東京」をオープン(現在は閉店)させたことをきっかけに、ビール事業に取り組むようになる。その後、「自分たちの手でオーガニックビールを造りたい」という想いに変わり、世田谷区初の醸造免許を取得し、2016年に経堂の地で「暁ブルワリー 東京ラボ」として醸造をスタート。さらに2020年には岩手県八幡平市の地に、より大規模な醸造所「暁ブルワリー 八幡平ファクトリー」を設け、東京ラボとはまた違うオーガニックビールを醸造している。
「暁ブルワリー 東京ラボ」の5畳ほどの小さな店内は、重厚感のある木の扉や漆喰の壁など、古民家のような落ち着く雰囲気。小さい店内であるため、テーブルで相席をお願いすることもあり、お客さん同士のコミュニケーションの場にもなっている。
定番ビールは6種ほどあるが、店内のタップ自体は1つのみ。何のビールが繋がるかはその日のお楽しみ。ワンコイン500円(税込)で飲めるのも嬉しいポイントで、店内ではグラス、テイクアウトはプラカップからグラウラーまで対応している。
缶や瓶で全国に展開している八幡平ファクトリーのビールとは違い、東京ラボのビールは暁ブルワリーの直営店(経堂・富ヶ谷・芝公園・銀座の都内4店舗)でしか飲むことができない。また、八幡平と同様にオーガニックというキーワードで醸造をしているが、“生産者の顔が見える果物やハーブスパイスを使用”“無濾過”という点が大きく異なり、魅力だ。300リットルほどの小さい釜で手作業で醸造しているため、バッジごとに味わいが変わることもあるが、小規模ブルワリーならではの楽しみ方といえる。
東京ラボのフラッグシップであり、看板ビールのひとつ「暁エール」は、スローな気分の時に楽しめるように造られた、日中にゴクゴク飲みたくなるような優しいビール。陽だまり中寝転ぶ芝生の香りをイメージし、柑橘香が特徴のシムコーのホップを使用している。スッキリした味わいながらも、旨みや奥深さもあり、誰からも好かれるようなバランスの良い1杯だ。
経堂に住む人たちの暮らしの中に溶け込む「暁ブルワリー 東京ラボ」。落ち着いた雰囲気の店内に、ワンコインでビールが飲めるという手軽さ、飲む人に寄り添う優しいビールが造られていることも相まって、訪れる人々を喉も心も潤してくれるはずだ。
暁ブルワリー東京ラボ
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東京都世田谷区経堂2-13-14 1階 Google Map
小田急線 経堂駅より徒歩3分
03-6413-6229
土・日・祝 13:00~18:00
(醸造の関係で不定期のお休みあり)
RECOMMENDこのブルワリーのおすすめを飲んでみよう
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暁エール
東京ラボのフラッグシップであり、看板ビールの1つ。友人と木陰で昼寝したり、陽だまりでゆったりしたりと、スローな気分の時に楽しめるように造られた、日中にゴクゴク飲みたくなるような優しいビール。陽だまりの中、寝転ぶ芝生の香りをイメージし、シムコー(ホップ)を使用しているのだとか、スッキリした味わいながらも、旨みや奥深さもあり、誰からも好かれるようなバランスの良い1杯です。
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みかんウィート
フリーズドライのみかんを使って仕込んだウィート。フリーズドライを使用することで、香りの印象にみかんの存在感はありつつも、味わいとしては果汁の甘さは目立たず、みかん特有の苦みが映しだされている。また、小麦のまろやかさも楽しめて、飲み口も爽やか。そのため、苦みが好きな方だけではなく、ビール特有のホップの苦みが苦手な方にも飲みやすいような1杯。